2010年08月03日

最低でも、大づかみにしておこう

まず、大づかみにしましょう。

「地域包括ケア研究会 報告書」のことです。

この報告書には、
2025年の医療・介護・福祉に関する地域の姿が描かれています。

そして、平成24年度からの新しい介護保険制度の
青写真であるとも言われている。
※こんな、サミットも開催されるようです。
http://www.town.higashiura.aichi.jp/07fukushi/kaigosummit/documents/chirashiomote1.pdf

これは、見ておく必要があります。
専門職としてはもちろんですが、
地域住民としてもしっかり読んで、
自分の生活設計に役立てる必要があります。

報告書は、パソコンがあれば入手できますが、
読んで解釈していくのはけっこう大変です。
http://www.murc.jp/report/press/100426.pdf

特に、小さな規模の事業所では、
「ねえねえ、これどういうこと?」と尋ねる相手もいなければ、
時間も無い。

そこで、お勧めは、
「月刊 ケアマネジメント 8月号」
IMG_0486.JPG

うまくまとめてあって、
社内研修などにも使えるのではないでしょうか。

2025年の姿が大づかみにできます。
検討部会の座長のお話、
学識経験者が報告書をどう読んでいるのか、
2025年を見据えた実践事例等も掲載されています。

今できること。
それはまず、
みんなでイメージを共有することが大切ではないでしょうか。
posted by となりのトヨロ at 20:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 地域包括ケア研究会 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月06日

「地域包括ケア研究会 報告書」拾い読み(4)

気になる点の三つ目ですが、
「2025年の地域包括ケアシステムの姿」の中に、
介護支援専門員(以下、ケアマネ)がどのように書かれてあるか、
ということです。

p33から始まる「人材の在り方」には、
サービスのマネジメントの強化と相談支援の強化という観点から、
ケアマネの資質向上が必要であるとしています(地域包括支援センターの機能強化と併記)。
しかし、
行政職員の地域包括ケアシステムのコーディネート能力や、
利用者自身のサービスマネジメントについての知識についても、
同時に言及しています。・・・@

また、
p35の地域包括ケアを支える各人材の役割分担イメージを表現した表には、
それが居宅サービスをイメージしたものであるにもかかわらず、
ケアマネについての記述がありません。・・・A

@は、
マネジメントの強化や相談支援の強化は、
1)ケアマネ 2)地域包括支援センター 3)行政職員 4)利用者自身
の四者に期待している、
と読むこともできます。

Aは、
具体的な医療・リハビリ・介護のサービスを中心にして書かれたものなのでしょうが、
介護福祉士などの能力が向上した姿について、
かなり具体的に描かれたものであるのに対して、
ケアマネは記述もありませんし、
先の「資質の向上」の5文字だけであることがなんとなく気になるのです。

@とAを眺めていると、
ゴールドプラン・新ゴールドプランには書かれてあった在宅介護支援センターが、
ゴールドプラン21では忽然と姿を消してしまった時のことを思い出さずにはいられません。

2025年、
私は「高齢者」の真っ只中にあり、
サービスを受ける側にまわっています。

でも、
ケアマネがどんな姿で制度に位置づけられているのかを考えた時、
変な胸騒ぎがするのです。

私の邪推や取り越し苦労であればいいのですが・・・。

制度論は苦手だと言いながら、
少々喋りすぎたようです。
このシリーズは、
ひとまず終了とさせていただきます。
posted by となりのトヨロ at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域包括ケア研究会 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月05日

「地域包括ケア研究会 報告者」拾い読み(3)

気になる点の二つ目は、「地域」ということです。
報告書では、日常生活圏域をおおむね30分以内(p27)としています。
これは、あくまでも地域包括ケアを支えるサービス供給体制を考える時の「地域」です。

この「地域」は人工的に設計されたものであり、期待したいのですが、次のような疑問もあります。

陣取りゲームのように事業展開をし、利用者の囲い込みに余念が無い事業者が、この日常生活圏域とサービスの外づけをどう捉えるかということが、まず気になります。

コミュニティを分断したのは介護保険制度だ、などという声も多く聞きます。
隣同士に住んでいる方が、一人は東のデイに、もう一人は西のデイに、といった感じなのでしょうか。

つまり、日常生活圏域と、それを越えた事業展開(地域分断)を行ってきた事業者が、「地域」ということに関して折り合いをつけていくことができるのだろうか、という疑問です。

「地域」には、文化と歴史があります。
次世代をはぐくみ、文化や歴史を伝えていくという役割も「地域」にはあります。
地域分断は、こうした役割までも破壊してしまう危険性を持っています。

地域分断の仕組みをのこしたままで、日常生活圏域はどのような意味を持ってくるのでしょうか?

(つづく)
posted by となりのトヨロ at 14:09| Comment(8) | TrackBack(0) | 地域包括ケア研究会 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月04日

「地域包括ケア研究会 報告書」拾い読み(2)

久しぶりに全く予定のない日曜日でしたので、昨日に引き続いて「地域包括ケア研究会 報告書」を少し丁寧に読んでいました。

すると、大変なことに気づきました。
昨日の記事に誤りがあったのです。

p28の「地域包括支援センター運営協議会は形骸化していないか?」というくだりです。

実は、p27〜p36は、2025年の地域包括ケアシステムの実現すべき姿を書いたものであり、「現状は○○だ」という分析ではありませんでした。
したがって、私の「・・・形骸化していないか?」という現実に関する指摘はトンチンカンなことを言っていることになります。

戒めのために記事は修正せずに晒したままにしておきますので、どうぞ笑ってやってください。


さて、気をとりなおして、「実現すべき姿」の中から、私たちが押さえておかなければならないことをいくつか取り上げてみたいと思います。

まず、p3「基本認識」の最初に「住宅」という言葉が登場します。最初にです。他にも「住宅」は、たびたび登場します。
昨日の記事にも書きましたが、施設を住宅と位置付けるという発想の転換がこの報告書の底流にあるのです。

これは、デンマーク・スウェーデン・オーストラリア等の諸外国の潮流を参考にしているようです(p17〜p18)。

これまでは、ともすると「施設」と「在宅」とが(二項対立ではないと言われながらも)対峙させるように語られ、事実二者択一の論理で処理されて来たように思います。

その構図から、後15年かけて「施設」という軸を消し去ろうということです。 
〔註:もちろん、そのための課題も整理されています(p42)〕

つまり、介護度や健康状態に合わせて転々と施設を渡り歩くのではなく、生活設計の中で住居を選び、必要があれば(あるいは望めば)転居するということです。

そして、それを前提にして、介護保険制度をはじめ、さまざまなサービスを外部サービスとして提供できる地域を創ろうというのです。

これからは、住み替えというライフスタイルを(介護度や健康状態とは切り離してでも)共に考えることができる専門職が求められるのかもしれません。

あと二つほど気になる点があります。
「地域」ということと、「ケアマネ」に関してです。

(つづく)
posted by となりのトヨロ at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域包括ケア研究会 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月03日

「地域包括ケア研究会 報告書」拾い読み(1)

昨日、東洋大学 T先生と、どりーむさんに感化されましたので、しばらくの間、「地域包括ケア研究会 報告書」を拙ブログでも取り上げてみようと思います。

精読していくと私がへたばりそうなので、拾い読みしながら、皆さんのご意見やお考えを聞かせていただければと思います。ページは、あちこち跳ぶと思いますがお許しください。

p24「現状では、アセスメントやケアカンファレンスが十分行われておらず、介護支援専門員によるケアマネジメントが十分に効果を発揮していないのではないかとの指摘がある。」
→ いつも私が研修でお話しているように、このままではケアマネ不用論が出そうですね。もう10年です。

p28「複合的な支援が必要で関係機関が広範囲にわたるような困難事例については、個々の介護支援専門員によるケースマネジメントだけでは十分な対応ができないため、管轄の地域包括支援センターが地域ケア会議を招集し、・・(略)。」
→ 別の箇所でも取り上げますが、地域包括支援センターの機能強化が求められています。それにしても、なぜここだけ「ケースマネジメント」としたのだろう? そっちが気になります。

p28「地域包括支援センターの運営協議会には地域住民が積極的に参加しており、地域のニーズを吸い上げ住民主体の活動に結び付けている。」
→ 本当でしょうか? 形骸化していないでしょうか? 仮に報告書の通りだとしても、一般市民には見えないです。

p42「どの施設に入所するかによって医療や介護のサービスが規定されるのではなく、利用者の状態像に応じて必要なサービスが提供されるよう、施設の在り方を見直すことが適当であり、施設を一元化して最終的には住宅として位置づけ、必要なサービスを外部からも提供する仕組みとすべきであると考える。」
→ ○○施設という名前の集合住宅といったイメージでしょうか。「外部サービスの自由選択」についてはトーンが落ちています。違う形の「囲い込み」をまた黙認していくのでしょうか?

(つづく)
posted by となりのトヨロ at 13:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域包括ケア研究会 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする