2011年08月24日

サザンパーク デイサービス

遅蒔きながら、話題のデイサービス「サザンパーク」を見学させていただいた。

http://www.kyo-ho.com/sazan/

日曜日だったので、残念ながら利用者の方々、スタッフの皆さんのお姿は拝見できなかったが、
CEOの山下総司さん @yamasou07 が直々にご案内してくださった。

鍵を開けて入ると、「整然」という言葉とは対極にありそうな風景がそこにあった。
「本当に、この場所で人が何時間も過ごせるのだろうか?」と思えるほどであった。

しかし、歩を進めながら、施設内のディテールに目を移していくたびに、
初めの印象をもったことが恥ずかしくなってきた。

歩いているとそれを妨げるように登場するインフォメーションカード、
決して整理整頓されない書物たち、
めくらなければ読めない貼り紙 etc.

それら雑然とした一つひとつの設えに、すべて哲学があるのである。
その哲学は「参加」の哲学である。
山下さんは、それを成就させんと、空間をデザインする。
空間は、「参加」を基準として、徐々に雑然へと変貌していったのである。

すべてが根拠ある雑然なのである。
徹頭徹尾「参加」思想で貫かれた空間なのである。

居心地良い「箱」を準備し、人を迎え入れるのではなく、
訪れた人によって「箱」が変貌してゆく。

人は、「箱」に手垢をつけながら生きてゆく。
考えてみると、生活とはそういうものだ。

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2010年05月31日

気合いのヘルパー養成研修

 2級ヘルパーの養成研修の講義をしてきた。

 もう十数年やっている。
 始めた頃に比べると、確かに受講される方は減っている。

 これまで、のべ何人の方々の前でしゃべったのだろう。
 
 受講された方々の中には、その後介護福祉士や介護支援専門員の資格を取得して、バリバリ働いておられる方も多い。また、学びなおしをして看護師や作業療法士などの資格を目指した方もおられる。

 2級ヘルパー養成研修は、このように福祉や介護の専門職の入り口的講座だといえるが、もうひとつ大切な機能を果たしてきた。

 それは、「その仕事には就かなかったが、福祉や介護のことを知ることができた」という方々を増やしたことである。つまり、福祉・介護の何たるかを広く知らしめる装置でもあるのだ。

 だから私は、「こうあるべきだ」という福祉・介護の理想を話すようにしている。そして、現場に入る方には、私の話と現実がいかに違うかを自分の目で見て欲しいと思う。仕事に就かなかった方も、何かの形で制度と向き合う日がやがて来る。その時に、私の話との隔たりを感じて欲しいのである。

 そして、ただ落胆するのではなく、クリティカルに俯瞰して欲しいのである。

 「何か変だ」という小さな疑問が集まって、大きなうねりになると信じている。

 そのように考えて講義に臨むので、いつも気合いが入るのである。
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2010年05月27日

生活と道具たちとの関係を考える場所

 昨日は、学生を連れて北九州市の福祉用具プラザ(北九州市介護実習・普及センター)に行った。

 多くの福祉用具があるのは当たり前だが、住宅改修のBefore/Afterや、コンピュータを使った福祉機器などもかなり本格的であった。そして、半年に1回は、これら福祉用具の入れ替えを検討するという。

 また、工房が併設されていて、自助具の製作が行われている。使われる方の体の状況に合わせて、身の回りの道具を改造したりしながら実用的なもの・世界に一つしかない生活用品を作っているのだ。

 今回、学生に対する説明は私自身が行ったが、必要があれば無料で作業療法士や介護福祉士が解説してくださるそうだ。

 立地条件や交通アクセスが良いせいもあるのだろうが、4時間余りの見学の間にも、多くの市民が出入りし活気もある。

 道具から生活を想い、生活から道具を考える。

 大量に生産・販売ができるものは、どんどん暮らしに入り込んでくる。しかし、算盤に合わないものは開発されにくい。ユニバーサルデザインという思想をもった仕組みやモノを持ち込んだとしても、痒いところには全く手が届かない人々が同じ社会で生活していることを忘れてはならない。

 だからこそ、このような場所の存在は重要な意味を持つ。

 全国各地にある介護実習・普及センターの福祉用具展示スペース。場所によっては「もうその役割を終えた」などと言われる所もある中で、北九州市は頑張っていた。仮に「事業仕分け」があったとしても、廃止や縮小にはならないだろう。
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2010年05月18日

生き残って欲しい施設

下関市内の、とある住宅型有料老人ホーム。
この施設は、株式会社が経営しているのであるが、経営理念が素晴らしい。だから、苦情受付の第三者窓口や職員研修など何かとお手伝いさせていただいている。

何が素晴らしいか・・・?
有料老人ホーム内に出入りする介護サービス業者は、完全に利用者の希望通りに招かれる。ケアマネ、ホームヘルパー、デイサービス、デイケア、訪問看護から訪問診察に至るまで。
この施設を経営している会社も、ケアマネ、ホームヘルパー、デイサービス等の事業を行っているのであるが、決して「我が社で!」とは言わない。当然、無言の圧力も無い。

当たり前と言えば、当たり前の話であるが、「我が社」のサービスを勧めてスケールメリットを出したいのが経営者である。多くの事業者は、そうしているのではないだろうか。

その点が違うのである。だから、この施設の風景も少し違う。様々なユニホームを着たサービス業者が通路を歩く。意地の悪い表現をすると「ニアミス」状態。しかし、「ニアミス」状態でも火花を散らすことは無い。
競争の激しい我が市にあって、この風景は「奇跡」とさえ思える。

「頑張れ!」と応援したい施設のひとつである。
posted by となりのトヨロ at 10:34| Comment(0) | 応援したい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする