2011年05月02日

「持てる化」したい理由

以前、「自立支援という理念を、具体的に仕事に落とし込むには?」というテーマで
研究・分析をしたことがあります。
観念的な整理ではなく、介護支援専門員などが現場で、具体的に駆使できて、実際に「自立支援」に資する業務指針のようなものが得られれば、という目的の研究でした。

 その結果、「自立支援」に役立つ(あるいは、それを遵守しなければ「自立支援」を妨げる)という6
つの項目が抽出されました。 (→ 介護支援専門員の更新研修でご紹介しているものです)

 その項目の一つに、「参加」という項目があります。つまり、支援プロセスのすべてにおいて、
利用者・家族が「参加」できる仕掛けが必要であるということです。 逆から言うと、その仕掛けができない場合、支援プロセスは、たちどころに「自立支援」を妨げるものになってしまうのです。

 アセスメントプロセスにおいては、おおむね「参加」していただくためのが準備できているのですが、唯一、の無い場所、を持ち込めないステップがあります。

それが、アセスメントプロセスのうち、「分析する」というステップなのです。そうです、「情報収集」したあとの「分析」プロセスです。多くの場合、この「分析」は、頭の中で行ったり、パソコンに委ねたりすることになります。ですから、利用者・家族は「参加」したくてもできない、言わば「閉ざされた過程」なのです。
したがって、この「閉ざされた過程」は、瞬間的に「自立支援」を妨げる業務が行われていると言えるのかもしれません。

 アローチャートは、この過程を押し開き風を通し光を当てることで、「分析」のプロセスを共有しやすくするためのものでもあります。情報と情報を繋ぐことは、生活を設計し、遂行するために不可欠な営みです。利用者・家族から、この営みを切り離し、介護支援専門員の専権行為としてしまうことは、その関係を<支配/被支配>の関係にしてしまうことにつながります。<支配/被支配>の関係は、「自立支援」の関係の対極にあるものだと言えます。

 しかし、最近になって「アローチャートを描くことだけでは不十分なのではないか?」という疑問が僕の中で肥大し始めてきました。描くだけではなく、もっと利用者・家族の近くに届けたい、手にもって感じて欲しい、自身のニーズの変化を視覚だけではなく五感で感じとって欲しいなどと思うようになったのです。つまり、アセスメントの「可視化」「見える化」をすこし広くとらえ、「持てる化」しようというものです。

 このことは、一度Twitterでおそるおそるつぶやいたことがあります。そうすると、写真のようなもの(モビールというらしい。知らなかった!)を創ってくださった方がおられます。素材は、薄くてハサミでも切ることができるマグネットと、手でも簡単に曲げることができる針金です。これには唸りました。
__.JPG


僕は、このようなモノを使って自身のニーズを整理する利用者の姿をイメージしています。遠目から見ると、作業療法に取り組んでいるような感じでしょうか。取り除くことができた<原因/結果>は、作品の上からも取り去られます。取り去ったものだけ集めて、別の何かを創るのもいいかもしれません。

 人は、自身の課題に向き合うとき、それを外在化しながら語り直し、新たな意味づけをすることでエンパワーされます。「持てる化」は、文字通り、自身のニーズをタナゴコロに乗せ、外在化するのです。そして、新しい物語を語り始めるきっかけにするのです。

 「持てる化」するための素材は、いろいろ考えられます。例えば、木片、糸、石、粘土、布、紐、紙、プラスティック、宝石、ゴム、コイン、ドライフラワー、写真・・・などなど。そこらあたりまでは考えが及ぶのですが、小さいころから図画工作が苦手で、成績も悪かった僕は、一人ではその先に進めません。昨夜、Twitterで「モノ創り人、クリエイター、手先器用びと、既成概念壊し隊、想像びとなどなど、おられませんか?お力を借りたいのです(^-^)/ 」とつぶやいたのは、そういう意味です。

 もし、お力を貸してくださる方がおられましたら、ご一報ください。一緒に考えていければと思います。

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posted by となりのトヨロ at 13:35| Comment(3) | TrackBack(0) | アセスメント・ニーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
紹介のあった、モビールは覚えていましたが、何で作られてたかな〜と思いながら、
文房具売り場を、うろうろしてみました。
そして、やっぱり、思いついたのはマグネットシート。
そして、→やギザギザは、モールで作れるかしら?

いちど、Skypeか何かで、
ブレインストーミングをしたいですね
Posted by どりーむ at 2011年05月02日 22:35
コメントありがとうございます。
早速、行動に移してくださったんですね。
今、自分でも模索しています。
僕の場合、温かみの伝わる「木片」と、
持ち上げることができる「木の棒」で考えています。
木片に穴をあけて、木の棒を突っ込みます。
アローチャートは、四角や丸にいろんな角度から矢印等が出入りしますので、
あけた穴には、ビニールのチューブを入れて曲がるようにし、
あらゆる角度に対応できるようにと考えました。
木片には、メンディングテープを貼り文字を書きます。
剥がせば何度でも使えるようにしておきます。
因果関係が解消できたパーツは、取り外し、穴をあけてつないでいけば
達成感も得られるかと思います。
文字だけでは分かりにくいので、おっしゃるようにSkypeあたりで
情報交換できればいいですね。
試作品が間に合えば、6月に持参したいと企んでいます。
Posted by 吉島豊録 at 2011年05月04日 09:24
木片もいいですね。
暖かみでは、フェルトもいいかな〜。
手芸屋さんにいくと、フェルトもいろんなタイプがありそう!

私は、利用者さん事に、「利用者さん宅に置いておく」
ということも思いました。
その時に、数を調達しやすく、大きさも変化を付けやすいことを
ポイントにしてみました。

6月の研修が、楽しみになってきました。
Posted by どりーむ at 2011年05月04日 09:42
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