2011年03月21日

ホエールウォッチング

ホエールウォッチング!?

この非常時に何を呑気なこと言ってやがる!と怒らないでいただきたい。

Twitterの話である。

Twitterにアクセスが集中し、サイトの機能が停止した時に鯨のキャラクターが表示される。
この鯨は、フェイル・ホエール (Fail Whale)という名前がついている。



東北地方・太平洋沖地震が発生したと聞いて、すぐに頭に浮かんだのはTwitterであった。
生きた情報を知りたいと思ったからである。
と同時に、ワールドカップの時にTwitterが過負荷になったという噂も思い出した。

地震発生からずっと、僕はこのフェイル・ホエールをネット上で探していた。
つまり、Twitter過負荷の情報を探していたのである。


地震の翌日と翌々日は、折しもあれ、「日本ケアマネジメント学会in北九州」
が開催され、被災地がある東日本からも多くの介護支援専門員が参加されていた。

北九州に到着してすぐに地震の報。
東に向かう交通手段が無いので帰るに帰れない。
家族や職場には連絡がつかない。
携帯電話には、地元で登録している災害情報だけが機械的に送られてくる。

北九州で知り得た情報を
繋がるところから順に、メールで被災地に送る。

そんな仲間の姿を見て、ホエールウォッチングを始めた。
Twitterを見るのは1日に1回と決め、tweetは自粛した。

10日間のこのスタイルで僕は、TLに流れるtweetと、ある文章を重ね合わせるに至った。

内田 樹(うちだたつる)の著「街場のメディア論」の中の文章である。

『メディアの「暴走」というのは、別にとりわけ邪悪なジャーナリストがいるからとか、
デマゴーグにメディアが翻弄されているとかいうことではありません。
そこで語られることについて、最終的な責任を引き受ける生身の個人がいない、「自立した個人による制御が及んでいない」ことの帰結だと僕は思います。「どうしてもこれだけは言っておきたいという言葉は決して「暴走」したりはしません。暴走したくても、自分の生身の体を「担保」に差し出しているから、制御がかかってしまう。真に個人的な言葉には制御がかかる。(中略)だから、ほんとうに「どうしても言っておきたいことがある」という人は、言葉を選ぶ。(以下、略)』p94.

メディアの凋落の原因の一つは、『「どうしても言いたいこと」ではなく、
「誰でも言いそうなこと」だけを選択的に使っているから』p96.だと言う。

1日に1回しかTwitterを見ることができなかった僕は、TLを丁寧に読むことになった。

平常時ではない。
多くの人が命の糸を求めてくるやもしれぬ非常時のTwitterが、
「どうしても言いたいこと」ではなく、「だれでも言いそうなこと」で溢れていたような気がした。


現代人が、知らず知らずのうちにメディアの表現に影響を受けているのは確かであろう。

また、完全なるオリジナルというものも無いはずである。
どこかで学んだものを組み合わせて使っているにすぎない。

しかし、内田の指摘は反芻してみる価値があると感じる。


幸い、重大な鯨情報は、僕の知る限り無い。
僕のTwitterアクセスも徐々に増えていくのだろう。

※このことは、6月の笑福@関東でも(形を変えて)取り上げることができればと思っています。

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posted by となりのトヨロ at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 随感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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