2010年10月16日

「ビールを止めることにしました」

「もうビールは、止めることにしました」

私がそう言ったとする。
実際には当分の間、そんな宣言をするつもりはないが、
仮に言ったとする。

さて、この言葉をどう解釈するか?

いろんな解釈があろうが、大きく二つに分類できるのか。

一つは、「おお! ついに観念したか! 体調でも悪いのか?
ドクターストップか? 長続きするのか?」などといった類の解釈。

いま一つは、「焼酎派に転向か? 日本酒オンリーでいくのか?」
といった類の解釈である。

つまり、前者は<ビール>がアルコール類すべてを代表しているという前提での解釈であり、
後者は、<ビール>は数多あるアルコール類の一つに過ぎないという前提での解釈である。

そして、前者は<やめる>ことを信じ、後者は信じていないのである。

また、解釈には、<ビール>という言葉に対する(解釈する側の)
飲酒やアルコールに関する感情や価値観も投影されることもあろう。

このようにして私たちは他者の言葉の解釈を試みる。

もちろん、文字ヅラだけからその真意に迫ることはできない。
口調、間、語気、表情、動作、態度、距離、場所、時刻、服装等々。

アセスメントの際、主観的事実はこうした営為から仮説を立てる以外に
手立てはないと思っている。

表層的な言葉から、語りの「何を語ったのか」という<筋>を掴み、
「いかに語ったか」と照らし合わせながら
主観的事実の解釈に挑む。

その突合作業の中で、違和感アンテナを張っておくとよい。
違和感アンテナが拾う波は、価値観に関する重要な事実を含んでいることが多い。

昨夜の事例検討会で、改めて感じたので備忘の録とする。

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posted by となりのトヨロ at 14:34| Comment(3) | TrackBack(0) | アセスメント・ニーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
引っかかってしまいました。
ビールの飲みっぷりのよさを見せていただいておりましたので。

私の思いは、1でした。
なぜでしょうか。
先生のアルコールとはビールのことという先入観があったからでしょう。

先入観とは、私自身の心の安定作用のように思えました。
Posted by 岩清水 at 2010年10月16日 15:07
ブログアップお待ちしておりました(笑)

私は後者の解釈でした。
「酒豪の吉島さんがお酒を止めるはずがない!」という思い込みがあったからだと思います。

自分の先入観を自覚しておかないといけないですね。
Posted by ジャニ at 2010年10月16日 15:49
今日はありがとうございました 久しぶりに講義を聴き 更にこのブログを見て やはり 言葉とは大切で怖いものだなぁと再認識しました 夏に講習会のメンバーの方に習い失語症の方と手作りの文字カードを作成し発声練習をして頂きつつ自分の語彙を広げる訓練をしていますが その方とコミュニケーションが取りにくいと感じたことは有りません それよりも 沢山話す相手の方が難しい と感じます 奥の深い世界ですね…
Posted by 整体と介護 at 2010年10月20日 21:30
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