2010年06月03日

主観的世界の深みに(6)

クライアントの主観的世界を整理するための思考過程は、概ね次の通りである。

1)クライアントの「アンビバレント」の発見を目指す。
※アンビバレントを発見するために2)〜5)を行う。

2)クライアントの会話を大きく「what」と「how」に分類する。
※whatは、何を語ったのかであり、howは、それをいかに語ったかということである。

3)「仮説の根拠(証拠)」を整理する。
※仮説の根拠は、3種類ある。〔what、how、客観的事実〕

4)「前提」を整理する。
※前提は、仮説の根拠(証拠)と相俟って仮説の形成をするものであるが、仮説は前提を説明しない。
※前提は、3種類ある。〔クライアントのメソッド(註1)、社会規範(暗黙のものも含む)、客観的事実〕

5)価値観Aについては、2)〜4)を因果関係において整理することにより導き出す。価値観Aと対峙しアンビバレントを形成する価値観Bは、2)〜4)の矛盾点を探すことにより導き出す(註2)。

6)アンビバレントをアローチャートで可視化し、検証できる形にする。

7)現場においては、2)のステップでの対話的構築を意識しておく。

現在までの整理は、ここまでです。
今後は、2)〜5)の流れを事例検討で検証していきます。
また、(註1)は、未整理の部分が多く深めていく予定です。(註2)は、これに加えて別のルートがありそうですので今後整理していきます。

いずれにしろ、2)〜5)は、スーパーバイザークラスの研修でお伝えしていこうと考えています。

次なる宿題が待っています(「ケアマネジメントが成立する条件をその歴史から概観する(仮)」を書くとツイッターで約束してしまった)ので、このシリーズはこれをもって「長いお休み」に入ります。が、加筆すべきものがあれば「号外」で掲載します。

引用・参考文献
岡村重夫:「社会福祉原論」.全社協
米盛裕二:「アブダクション」.勁草書房
加藤諦三:「「不機嫌」と「甘え」の構造」.PHP文庫
前田泰樹他:「エスノメソドロジー」.新曜社
小沢勲:「痴呆を生きるということ」.岩波新書
野矢茂樹:「論理トレーニング」.産業図書
桜井厚他:「ライフストーリー・インタビュー」.せりか書房
狭間香代子:「社会福祉の援助観」.筒井書房
澤登俊雄:「現代社会とパターナリズム」.ゆみる出版
岩間伸之:「対人援助のための相談面接技術」.中央法規
アレク・フィッシャー(岩崎豪人他訳)「クリティカル・シンキング入門」.ナカニシヤ出版
山田富秋他:「排除と差別のエスノメソドロジー」.新曜社
posted by となりのトヨロ at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | アセスメント・ニーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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