2014年11月26日

学びの扉の鍵穴

「現場が一番分かっている」
「現場は大変なんだ」

これらの言説はもっともだと思う。
おそらく異論を唱える人はいないだろう。


連綿と続く生活に「言葉」という楔を打ち込み、人は言説を切り出す。
切り出すのだから切り口がある。
その切り口から、別の言説が生まれる。言外の言である。

「僕は合格しました」
この言説は、文字通りの意味に加えて
例えば、「不合格の人もいるのです」という別の言説を
(意図する/しないに関わらず)生み出すのである。

しかし、他者は文脈から最も妥当な解釈を選択してくれる。
だから無用な諍いは最小限で済む。
人間のファジーを読み取る力はありがたいものだ。

ところで、先に述べた言説にはどのような言外の言があるのだろうか。
おそらく
「現場以外の者は分かっていない」
「現場以外の者は大変ではない」
といったものだろうが、通常これらも表面化しない。

しかし、新制度や新しい方法が示された時、これらを唯一の根拠として反対する場合、不幸が生まれる。

どのような不幸か...それはこうだ。

これらの言説だけを根拠として(あるいは強調しすぎて)、新しくやってくる物事に反対するためには、その根拠―「現場が一番、かつ大変」を確固たるものにするしかない。

つまり、全力で現場を大変なものにしていくしかないのである。
全身全霊を傾けて学ばないでいるしかないのである(だって現場が一番分かっているのだから学ぶ必用はない)。

現場はこうして疲弊していくのである。
かつての私がそうだったように。

現場も根拠ある反論(反証)をするための学びが必要である。
学びの扉の鍵穴は、外側にはついていないのだ。

__.JPG

posted by となりのトヨロ at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 随感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月25日

アセスメントと課題整理総括表

平成26年7月4日 老発0704第2号
各都道府県知事 殿
厚生労働省老健局長
「介護支援専門員資質向上事業の実施について」

上記を読んでみた。
それには、平成28年4月1日から適用される介護支援専門員の実務研修等の実施要綱が添えられていて、
主任介護支援専門員研修以外は全て「課題整理総括表及び評価表等を活用し行うものとする」と明記されている。

もしこの要綱を尊重するのであれば、多くの都道府県は(好むと好まざるとにかかわらず的に)無批判に「課題整理総括表」と「評価表」とを使った研修を模索することになるのではないかと憂慮している。

課題整理総括表や評価表は言わば、提案された一つの“仕組み”である。
“仕組み”には必ず思想がある。
その思想を理解した上で、まず批判的に吟味して欲しい。

蛇足になるだろうが、この場合の批判は非難ではない。
批判とは、その思想の意味内容が成立する基礎に目を向け、自分なりに吟味しその妥当性等を明らかにしようとすることである。

特に課題整理総括表の思想は、「アセスメントの再整理」であることを理解して欲しい。


アセスメントが収束してるとすれば、
@ニーズ発生のメカニズムは、アセスメントをした者は当然語ることができるはずであり、また、A利用者の全体像やB悪循環とも整合的であるはずなので、これらも併せて説明可能でなければならない。

課題整理総括表は、それらを確かめることにも貢献するが、それが本来のミッションではない。

前述したように、再整理をするためのものだ。
アセスメントで得られたニーズ発生のメカニズムを縦糸に、ケア内容や改善可能性を横糸として編み直しをするのである。縦糸であるニーズ発生のメカニズムは、複雑な円環的因果関係であるから、機織りも単純ではない。そこに介護支援専門員の存在価値がある。

つまり、第二表だけでは、ニーズ発生のメカニズムとケア内容と改善可能性とが関連づけされた形で表現できなかった。そのために介護支援専門員は、その努力が認められないばかりか「不要である」と言われんばかりの憂き目にあっているのである。

課題整理総括表は、介護支援専門員を苦しめるために考えられたのではない。
その思考を説明し、擁護しようとして考えられたのである。

しかし、研修の方法によってはかえって介護支援専門員を苦しめることにもなる。
思想の理解の度合いによっては毒にも薬にもなる代物が課題整理総括表である。
法定研修では、その思想を理解した上でクリティカルに活用して欲しいと切に願う。

__.JPG

posted by となりのトヨロ at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | アセスメント・ニーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月10日

課題整理総括表 研修

アセスメントの3大ミッションは、
@ 問題発生のメカニズムを把握する
A 利用者の全体像を把握する
B 悪循環を把握する
であろう。

特に「@の問題発生のメカニズムを把握する」ことは、課題整理総括表を理解し活用するためにも重要である。

課題整理総括表は、アセスメントを終えた後に、言わば「改善可能性」や「ケア内容」という視点を加え、@問題発生のメカニズムを整理し直すものである。

だからアセスメントと同時に理解しなければ、課題整理総括表は活かされない。

全国のあちこちで研修が始まっているようだが、課題整理総括表だけを切り取った研修は、介護支援専門員の仕事を複雑にし繁忙化するためには貢献するであろうが、ケアマネジメントの資を向上させることには殆ど役立たないだろう。

__.JPG
posted by となりのトヨロ at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | アセスメント・ニーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。